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「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし

「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし県土の78%が森林の長野県。都市部からでも少し足を延ばせば、山・森・林・川・田畑といった自然豊かなフィールドが広がっています。中でも安曇野は移住先として人気のあるエリアのひとつ。今回は、「信州やまほいく※」認定団体で、県内の自然保育の先駆けともいえる安曇野の「くじら雲」と信州に移住しそこへ通うご家族の暮らしをご紹介します。

※信州やまほいく(信州型自然保育)認定制度とは…長野県では、子どもが心身ともに健やかに成長できるよう、豊かな自然環境や地域資源を積極的に取り入れた保育を普及するための「信州型自然保育認定制度」を創設し、「子育て先進県ながの」の実現を推進しています。

「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし

森の中で学び、成長する「くじら雲」の自然保育
子どもたちのペースでやりたいことをとことん

安曇野の山里で古民家を修復し自然保育を行っているのが「響育の山里 くじら雲」。今年度も23名の園児を迎え入れています。

日々の活動は、昆虫を見つけたり、栗や胡桃を拾ったりと季節を感じながら山道を歩くことが活動そのもの。冬は山の麓に集合し、毎日片道2kmの雪の森の中を歩いて園に向かいます。

「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし

「いつもゴールの方向は決めるけれど、何に立ち止まって、どんなペースで進むかは子どもたち次第なんです」と語るのは代表兼保育士の依田さん。

山道の途中で良いスペースを見つけると、ここに家をつくりたいと枝を集めて家づくりがはじまることも。「夢中になるとくじら雲まで辿り着かないこともあるんです(笑)」と楽しげに話します。

「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし

山道にはワクワクする要素がたくさん。田植えや焚火など昔ながらの生活を体感するプログラムも数多く行われます。自然の中で興味を持ったことをとことんさせてあげることは、身体はもちろん、精神力や想像力を高め心も丈夫にしてくれると依田さんは言います。

「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし響育の山里くじら雲 代表・依田敬子さん「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし
安曇野市出身で保育士歴27年。13年間、公立園にて保育士を務め、大人の都合でなく子どもたちのやりたいことができる理想の保育を求め10年前にくじら雲を設立。

「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし

古民家を改修した憧れの田舎暮らし
地域全体で子育てするあたたかみのある暮らし

都会のごみごみした空間が苦手だったという大阪出身の将さんは、就職をきっかけに松本へ移住。京都出身の舞さんも結婚を機に信州暮らしをはじめました。

漠然と古民家に住みたいという夢を描いていたお二人がこの家に出会ったのは5年前。太い大黒柱と立派な梁は状態が良く、一目で気に入ったそうです。

「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし

「都会ではありえない広さと高さがいいんです。子どもたちがドタバタと遊んでも不思議とイライラしない。それに裸足で歩くと気持ちいいんですよ」と嬉しそうに話す舞さん。“健康に良い家”というコンセプトで快適な空間をつくるDIYが週末の日課という将さんも「子どもの表情を見ると越して良かったと感じますね」と語ります。
「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし

また、ご近所付き合いが活発なのもこの場所が好きな理由。「くじら雲でもこの地区でも地域全体で協力して暮らしていることが実感できます。それがあたたかくて安心感があるんです」と田舎暮らしの醍醐味を教えてくれます。

「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし井上 将さん、舞さん、桜ちゃん(7歳)、桧くん(5歳)、桃ちゃん(2ヶ月)「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし
いつかは自然豊かな土地の古民家で暮らしたいと関西から移住した井上さんご家族。小2の桜ちゃんは「くじら雲」卒園者。現在は桧くんが通っています。

「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし

山好きの夫婦が選んだ北アルプスを一望できる家
心を豊かにしてくれる身近に山のある生活

ご夫婦そろって登山が趣味という須藤さんご一家。「頂上に着くと他の山の頂や尾根が見えて、次はあそこに行ってみたいと意欲がわくんです」と魅力を語ります。

いつかは山が美しく見える場所に住みたいと願っていた山好きのご夫婦が選んだのがここ安曇野でした。こだわりのウッドデッキは驚くほどの広さ。北アルプスが一望でき、山を見ていると心も落ち着いて、天気の良い日にここで食べるごはんはとても美味しいと言います。

「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし

アウトドア好きのご夫婦にとっては、くじら雲も一目惚れの場所。「親も一緒に畑や田んぼを手伝うんですが、実は都会育ちの私にとっても新鮮で子どもより楽しんでいたかもしれません」と陽子さん。彩七ちゃんの入園中は、家族みんなで本当に楽しみましたよと見せる笑顔から、自然の中で暮らす楽しさが伝わってきます。

「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし須藤 敏也さん、陽子さん、彩七ちゃん(7歳)「山に抱かれ、森で育つ」安曇野で信州暮らし
登山が趣味の山形県出身のご主人と、東京都出身の奥様のご夫婦で、20年前に関東から信州へ移住。彩七ちゃんは今春に「くじら雲」を卒園し、4月から小学1年生に。

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