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ライフスタイル・オブ・信州ライフスタイル・オブ・信州

一房入魂、ぶどう農家を訪ねて

色鮮やかに彩られる秋の信州は、フルーツの宝庫。ぶどうやなし、プルーンなど旬の味が楽しめます。今回は人気上昇中の新品種の「ぶどう」に注目。
手間をかけ知恵を絞って作り上げるこだわりのぶどう農家をご紹介します。

吉澤修さん

美しい畑で育まれる芸術的なナガノパープル
全てにこだわった情熱的なぶどうづくり

長野県オリジナル品種のぶどうで、種がなく皮ごと食べられるナガノパープルは、大粒でコクのある甘味が人気の高品種です。

ぶどうの中でも水分管理をはじめ特に栽培が難しいこの品種の生産者の間で一目置かれる存在が吉澤さん。畑に行けば一目瞭然、その理由がぶどう畑の管理をはじめとする栽培技術にあると理解できます。

吉澤修さん
果実に栄養を集めるため、また劣化を防ぐため、枝葉の管理が徹底された畑はまるで芸術作品のような美しさ。ひと際大きいぶどうの粒もこの畑の賜物です。この畑を一目見ようと毎年、多くのぶどう農家が視察に訪れます。

とても手間はかかるけれど、この品種やこの味が好きというファンがいてくれることが、吉澤さんのぶどう作りの情熱の源になっています。

吉澤 修さん吉澤 修さん(小布施町)
ナガノパープル
13年前の54歳のとき、脱サラして専業農家になったと同時にナガノパープルの栽培をはじめ、現在の出荷量は約1.4tとトップクラス。
シャインマスカット・桃・栗なども栽培しています。

岡木由行さん

太陽が味方。シャインマスカットのパイオニア
ぶどう棚で発電も。挑戦するエコファーマー

種がなく皮ごと食べられ「パリッ」「サクッ」としたさわやかな食感と味わいで全国的にも人気急上昇中のシャインマスカットは、長野県が生産量№1を誇る品種。岡木さんは、県内シャインマスカット生産の第一人者のひとりです。

そもそもこの道50年の岡木さんが、ぶどう作りをはじめたきっかけは、中野市の篤とくのうか農家・荻原さん宅での農業研修。

「銀座千疋屋の不ふむろ室総支配人がよく来ていて、果物のいろいろな話をしてくれました。そこから関心が高まり、ぶどうを生業にしようと思ったんです」と語ります。

岡木由行さんさまざまな品種栽培の取り組みにはじまり、近年は、ぶどう棚に太陽光パネルを設置するというアイデアを実現。岡木さんのチャレンジはこれからも続きます。
岡木由行さん岡木由行さん(須坂市)
シャインマスカット
シャインマスカットのほかに、ナガノパープル・クインニーナ・ピオーネ・瀬戸ジャイアンツ・巨峰と多種類のぶどうを栽培。
露地・ハウスを管理し年間を通して出荷しています。

PLUS 1須坂の農業×ものづくりから生まれた「グレイパー」グレイパー
「ぶどう作りはずっと腕を上げているのが大変」そんな声を受けて誕生したのが補助具の「グレイパー」。ぶどうの一大産地で、農・商・工業と観光の連携に積極的に取り組む須坂ならではの製品です。(製造:(株)美須弥工業)

ほかにもイロイロ!秋に食べたい長野県生まれの新品種フルーツ

南水(なし)南水(なし)南水(なし)
「南水」は、越後と新水をかけ合わせた長野県生まれの品種。シャリシャリとした食感とひときわ強い甘みが特徴で冷蔵しておけば3 ヶ月はその食感と味が保てます。低カロリーで疲労回復にも効果的です。
選び方表面はざらついたものより滑らかなものが◎。
収穫時期9月中旬~10月上旬

オータムキュート(プルーン)オータムキュート(プルーン)オータムキュート(プルーン)
長野県では昭和50年代からプルーンの生産に取り組み、今では生産量全国1位。ミネラルやカリウム、鉄分が豊富なプルーンはミラクルフルーツとも呼ばれ健康食としても愛用する人が多い果物のひとつです。
選び方白い粉(ブルーム)がついている方が新鮮です。
収穫時期9月下旬~10月上旬

秋映(りんご)秋映(りんご)秋映(りんご)
その名のとおり秋に映える美しく濃い赤色に色付くりんご「秋映(あきばえ)」。千秋とつがるをかけ合せた品種で甘みと酸味のバランスが良く果汁もたっぷり。シャキッとした歯ごたえも特徴です。
選び方ツルのみずみずしさが新鮮さのサインです。
収穫時期9月下旬~10月上旬

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