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信州そば歴史探訪 Vol.1
木曽路から全国へと広がる「そば切り」

中山道69次32番目の宿場町として栄えた塩尻市の本山宿。1707年刊の『風俗文選』に「そば切りといっぱ、もと信濃国本山宿より出て、あまねく国々にもてはやされける」という記述も残されるなど、信州のそば文化を語る上で重要な土地でもあります。

かつて、本山宿には10数件の旅籠があり、多くの旅人にそばを提供していました。
電車の開通など、時代が移り変わり、今ではその面影をあまり見ることはできませんが、家庭レベルではそば切りの伝統は途切れることなく、受け継がれてきました。

 

本山のそば文化を後世に伝える

つなぎに卵や長芋を入れたりと、各家庭ごとの味で「ハレの日の食」としてそばが食されてきた本山宿。
しかし、時代とともに、自宅でそばを打つ家庭も段々と少なくなっていきました。

「本山宿のそばにまつわる歴史や文化を絶やしてしまうわけにはいかないと有志が集まり、地域の各家庭に伝わるそば打ちの技術や味を後世へ伝えるとともに、地域振興にもつなげるべく、1991年に『本山手打ちそば振興会』を発足、1994年には『そば切り発祥の地本山そばの里企業組合』を創設しました」と話すのは同組合の理事長を務める落合功さんです。

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そば切り発祥の地本山そばの里企業組合 理事長の落合功さん

地域のイベントに出店したり、1995年には信州そば発祥の地として活動する「伊那そば振興会」とともにドイツに渡り、デュッセルドルフ日本総領事公邸でそばを振る舞うなど、国内外にそば文化を伝える活動を行っています。

また、本山のそばの味を広く伝える活動の一環として、手打ちそばを提供する「本山そばの里」も組合創設とともに開店しました。

 

昔ながらのそばを再現 

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「本山そばの里」で提供されるそばは、細く、少し黒い色合いが特徴です。
これは、かつて宿場町で提供されていたそばを再現しているそう。
細く切ることで香りが立ち、のどごしも良くなるといいます。

また、そばを打つ際、切ったときの長さを均一にするため、四角くなるようにのしていくのが一般的ですが、昔ながらの製法を忠実に再現するため本山では丸くなるようにのし、手で押さえながら切るのも特徴です。

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「本山そばの里」には地元の女性たちを中心に、約15名のそば打ち職人が在籍しています

原料も地元産にこだわり、近隣の畑で栽培される「信濃一号」という品種を、自家製粉したそば粉を使用しています。

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多い日には1日100人を超えるお客様にひきたて、打ちたて、ゆでたてのそばを提供するほか、年末になると、地域のみならず、県内外から年越しそばの注文が入るといいます。

「地域で代々受け継がれてきた“そば切り”という尊い文化を継承し、後世に受け継ぐ担い手として、これからも活動していきたい。」と落合さん。本山そばの里の活動は続きます。

 

※この記事は2021年10月時点の情報です。取扱商品等は変更になっている場合がございますので、ご了承ください

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