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信州そば歴史探訪 Vol.3
干しそば発祥の地 長野市で香りや喉越しにこだわるそば製造

打ち立てのそばは、香りが高く、喉越しなどが楽しめる反面、保存がきかないという一面も。
そこで、保存性の高いものをと開発されたのが「干しそば」です。

明治時代に長野市のそば店「大和屋本店」の塩入三代吉氏が生そばを乾燥させ、製品化したのが始まりと言われています。
その後、県内各地で干しそばが作られるようになり、今でも長野県が圧倒的なシェアNo.1を誇ります。

長野県では信州そばの品質や技術の向上を図ることを目的に、毎年「信州そば品評会」が開催されるなど、長野県内の製麺事業者が互いに切磋琢磨しあいながらよりより製品づくりに取り組んでいます。
技術の進歩や職人達の試行錯誤の末、製造の過程で切れてしまうなどの理由で乾麺では難しいとされていた、十割蕎麦や、食塩不使用でそば湯も楽しむことができる商品など、人々のニーズに沿った干しそばも生み出されています。

品評会

昨年の「信州そば品評会」の様子

そんな「乾しそば発祥の地」長野市で昭和27年に小麦粉の製粉工場として創業した柄木田製粉。
昭和34年から乾麺の製造を開始。そばをはじめ、うどん、ひやむぎ、そうめんなど、麺類全般を手掛け、そばについては8割、7割を中心に蕎麦粉の配合、麺の太さなどを変え、さまざまな種類を製造しています。

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「小麦粉の製造を行っていることから、そば粉との相性を見て、つなぎに使う小麦粉を選ぶことができることが強みです」と話すのは社長の柄木田豊さんです。
そばの産地によって特徴が異なるほか、つなぎの小麦粉によってもまったく違う味わいのものができるのだといい、お客様の声を大切に、香りや喉越しにもこだわった乾麺づくりをてがけます。

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お話をお伺いした柄木田製粉(株)代表取締役社長の柄木田豊さん(左)と川中島工場長の山内善貴さん(右)

うどんやひやむぎなど、麺類の家庭での消費量が伸び悩む中、昨今の健康志向の高まりもあり、そばは伸びているといいます。
工場長の山内さんに美味しい食べ方を聞いてみたところ、茹でたそばをトマトやキュウリ、かいわれなどと一緒に皿に盛ってサラダ仕立てにし、ドレッシングをかけたり、パスタの麺の代わりに使ったりしても美味しいとのこと。油で揚げて酒のおつまみとしてもオススメとのことで、さまざまな味わいが楽しめる乾しそばはまさに万能な食材です。

そばいなり

柄木田製粉(株)のウェブサイトでは、様々なそばのアレンジレシピが紹介されています。

また、生そばの味わいと保存性が両立したそばを作りたいと同社が初めて製造販売したのが「半生そば」。
りんご酢をメインとする製造会社とともに開発を進め、生そばの食味や風味、喉越しを残しながらも常温で90日ほど保存可能な麺が生み出されました。

 干しそば、半生そばは近年では海外での販売も伸びているそうで、信州の気候・風土に根付き、育まれてきたそばは今や海外へもその広まりを見せています。

 

※この記事は2021年10月時点の情報です。取扱商品等は変更になっている場合がございますので、ご了承ください。

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