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セイジ・オザワ 松本フェスティバル~松本が音楽に染まる日本最大のクラシックの祭典~

セイジ・オザワ 松本フェスティバル©山田毅

1992年から始まった “ サイトウ・キネン・フェスティバル松本”。
2015年には、総監督を務める小澤征爾さんの名を冠した“セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)”へと生まれ変わり、新たな歩みをはじめました。
25年目のメモリアルイヤーを迎えるOMF、そして訪れる人々をもてなし、フェスティバルを盛り上げる松本の人々の魅力に迫ります。

セイジ・オザワ 松本フェスティバル©大窪道治

サイトウ・キネン・オーケストラと
音楽の街「松本」の出会い

小澤征爾さんと松本の出会いは1992年。日本の音楽界に指揮者、指導者として多大な功績を残した恩師の齋藤秀雄氏を偲ぶメモリアルコンサートの本拠地として選ばれたことにはじまります。

澄んだ空気と夏場の湿度の低さ、雄大な山々の景観などの環境が、音楽の都ウィーンのあるオーストリアと似ていて小澤さんの心を動かしたと言います。

セイジ・オザワ 松本フェスティバル©山田毅

音楽文化を育む土壌のあった松本でもこのフェスティバルは、市民の誇りとなっていきます。訪れる人々をもてなすだけでなく、多くの市民が運営ボランティアとして、そして出演者として携わり、フェスティバルをつくりあげています。
世界の名だたる音楽家が松本に集結し、小澤総監督のもと市民も一体となって繰り広げる世界的な音楽の祭典を体感してみませんか。


セイジ・オザワ 松本フェスティバル©山田毅

それぞれの力が掛け算になる
そんな舞台をつくりたい

演劇と音楽、そして美術で構成されるオペラは、OMFのメインプログラムのひとつです。
2013年の「子どもと魔法」がグラミー賞を受賞したことでも話題となりました。

2001年よりオペラ制作に関わり、グラミー賞受賞作でも舞台監督を務めたのが深町さんです。

セイジ・オザワ 松本フェスティバル©大窪道治
セイジ・オザワ 松本フェスティバル©大窪道治

「OMFのオペラは、ソリスト(独唱者)、オーケストラ、コーラス、指揮者など、総勢100名を超える出演者でつくるスケールの大きいもの。私の大きな仕事のひとつは、全ての出演者に良いコンディションで気持よく演じていただくことですね」と語ります。この規模になると、再演で1年、新演目なら2~3年をかけて準備されるそうです。

また、楽器も歌声もすべて生音なのがオペラの特徴。「それぞれが研鑽したひとつひとつの力が集まるのが本番。単純に足し算されるのではなく、掛け算になっていくと本当に素晴らしいものとなる。今年もそんな作品にしたいですね」と深町さんは目を輝かせます。

オペラプロデューサー・深町 達さんオペラプロデューサー・深町 達さん
学生時代にフェスティバルで見たオペラに感銘を受けて現在の道へ。2001年よりフェスティバルのオペラ制作に携わり、2015年からプロデューサーとしてオペラ全体の運営をとりまとめています。

セイジ・オザワ 松本フェスティバル©山田毅

みんなでつくる音を楽しむ
マーチングパレード

OMFの名物となった吹奏楽パレードに初年度から携わる豊島実さん。当初は中学生を中心に1,300人程度だったものが近年では3,000人が参加する一大プログラムに。

「来た方を歓迎するのが目的なんですが、記念のポロシャツがもらえ、他の団体との交流も生まれる。自分のスキルアップにもなります。そして何より楽しく参加できるのがここまで発展した理由でしょうね」と語ります。

セイジ・オザワ 松本フェスティバル自身のバンドにも特別なこだわりが。「完成度を求めるバンドもあるけど、ウチは全員参加がルール。フォーメーションを組んだ後は一人でも抜けたら完成しない。だから一人ひとりが自分の役割や必要性を実感できるんです」と力説します。
バンド歴25年の上野さんも「曲や演技を仲間と一緒に作っていくのが楽しいんですよ」と話し、中学2年の平林さんと白石さんは「揃ったとき何倍も迫力が出るのがわかるよね」と笑顔に。バンドメンバーには、OMFに参加しつくっているという誇りと楽しみがあふれています。

松本シティーマーチングバンド代表・豊島 実さん松本シティーマーチングバンド代表・豊島 実さん
今年30周年を迎え、県内の草分け的存在でもあるマーチングバンドの代表。バンドには、中学生から60代まで30名が所属。自身もユーフォニアム(金管楽器)のプレイヤーとして活躍しています。

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