信濃大町・食とアートの廻廊を巡る「北アルプス国際芸術祭」開幕!2017.06.26
美しい山々と森に抱かれ、清冽な水と凛とした空気が豊かな自然を育む大町市を舞台に、今、芸術祭が開催されています。
この地に暮らす者が伝えたいこと、遠方から訪れた者が見つけたことなど、36組のアーティストが抱く大町への思いを表現した、個性あふれる作品が各所に出現。
さらに13軒のタイアップレストランが郷土の食材と文化でおもてなしする限定メニューも登場。北アルプスの麓、信濃大町で食とアートの廻廊を巡る旅に出かけてみましょう。
コンセプトは「水・木・土・空」アートとともに輝く大町の魅力
ここでしか体感できない時間と空間を楽しむ芸術祭
「大町を訪れたとき、とにかく水がすごいと思いましたね。雪解け水が豊饒な土をつくり、よい森ができる。盆地で空も高い。そんな印象から芸術祭のコンセプトは“水・木・土・空”にしようと考えたんです」とフラムさん。
この芸術祭は、アートの力でこの地の魅力をより際立たせ、広く世界へと発信しようというプロジェクト。「アーティストは大町の風景や歴史・文化などを感じとって、この場所だからこそという作品をつくりました。製作過程で必要となる地元の情報は、地元の人に教えてもらう。だから自然と協働が生まれる。実はそれも仕掛けのひとつなんです」
そして、アートとともに食が楽しめるのもこの芸術祭の特徴。「食は地域文化の象徴。海が無いからこそ海の恵みを上手に保存した“えご”など、丁寧な料理が多くていいなと思いましたね」と語ります。芸術祭を通じ、これまでと違う信濃大町を感じ、楽しんでみましょう。
北アルプス国際芸術祭
総合ディレクター 北川フラムさん
新潟県出身、東京芸術大学卒業のアートディレクター。アートを通しての地域づくりの実績も多く「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」の総合ディレクターも務めています。
36組のアーティストによる作品が登場
-
バンブーウェーブニコライ・ポリスキーさん
山奥に突如現れる、竹の海
ロシア出身のニコライさんが、大町で感銘を受けたのが八坂地区に生茂る竹の美しさ。竹で波を表現し、浮世絵のような雰囲気を出したいと構想を練り、八坂で暮らす竹に精通する人々とともにその形を実現させました。大勢の人々の想いが詰まった巨大アートです。 -
はじまりの庭原倫太郎さん+原游さん
スタート地点にワクワク感を
電車で訪れる方々の起点となる信濃大町駅前のインフォメーションセンターで出会う作品は、大町の大自然のイメージを室内に再現したもの。芝生が広がりライチョウや木などが楽しさを演出しています。カッティングや色塗りでは地元の高校生も活躍しました。 -
土の泉淺井裕介さん
大町の土で描いた壁画アート
エネルギー博物館の壁一面をキャンバスに見立て、市内の13種類の土を使って描かれた絵画。茶色や黄色などの多彩な土の色が、自然のもつ奥深さを感じさせてくれます。よく見ると大きな生物の中には小さな生物が隠れていて、見つける面白さもある作品です。
伝統食材たっぷりの贅沢重
寒干し大根に凍り餅ふるさとの味がエッセンス
ホテル自慢の信州プレミアム牛肉の隣に横山先生のアイデアで添えられたのが寒干し大根のステーキ。「自然と肉の旨味が浸み込んで、寒干し大根がこんな風に使えるんだという発見でしたね」と保科さん。
自分で凍り餅を砕いてお湯を注ぐ、ユニークな体験型のデザートもお目見え。「伝統的な味を楽しんで欲しい」という横山先生らしい計らいがたっぷりのメニューです。
アドバイザー 横山タカ子さん
大町市出身の郷土料理研究家。伝統食をアレンジしたオリジナルレシピも多数。
保科洋平さん
立山黒部観光の玄関口、大町温泉郷の宿「ホテルからまつ荘」の料理長。
旬の野菜が彩るワンプレート
世界の技でさらに引き立つ地元野菜のおいしさ
「地元食材と宿の雰囲気、オーナー夫妻の人柄から、ここでしか食べられないレシピを考えました」と語る神保さん。自家製の野沢菜を使ったタルタルソースや、カプレーゼのソースに味噌を使うなどシェフならではのアイデアを伝授。
「野菜も茹で方ひとつで、おいしさが違うものになりました」と、畠山さん夫妻も大満足のプレートが完成しました。
アドバイザー 神保佳永さん
欧州のグランメゾンでの修行を積んだ、南青山のイタリアン「HATAKE AOYAMA」の総料理長。
畠山龍平さん・多希さん
爺ガ岳スキー場前で「マルハン爺ガ岳ロッヂ」を営む、仲睦まじいご夫婦。