今こそ飲もう、信州のビールを!2018.07.20
小さな醸造所で職人が手間ひまかけて造るビールがまるで工芸品(クラフト)のようだと例えられたのが始まりと言われるクラフトビール。個性豊かな味わいが人気となり、ここ数年で最高潮の盛り上がりを見せていますが、実は信州が日本で最も熱い(と言っても過言ではない)ムーブメントの発生源であることを知っていましたか?
さあ、今こそ信州のクラフトビールを飲む時!暑い夏、熱い想いから生まれたビールで喉と心を潤しましょう!
醸造所:クルークダイニング 信州須坂フルーツブルワリー(須坂市)
良質な果物の産地である須坂市で誕生したのが、りんご“ふじ”を使った「信州須坂フルーツエール」。須坂市ならではのクラフトビールを生み出したい!と、行政、JA、観光協会、地元CATV、飲食店などが一体となって協議・開発を重ね、試飲会などで得た地元の声も反映しました。
醸造しているのは、県内を中心に20余りの飲食店を展開するクルークダイニング。醸造場長の深井洋一さんは県内の農業関連機関で長年研究者を務めてきました。クラフトビール造りは初の試みで、フルーツ感を出すことに苦労したそうですが、果汁の割合や加える方法、タイミングなど試行錯誤を繰り返し、ついに昨年8月、すっきりとフルーティーな味わいでビールが苦手な人でも飲みやすい製品が完成。同月の須坂市で行われた「お披露目会」では、市内外の方から大好評を得ました。
今後は、須坂産のぶどうやモモ、遊休農地の解消に有効なカシスのほか、信州りんご3兄弟(秋映、シナノスイート、シナノゴールド)を使ったクラフトビールも開発予定。さらに一度の仕込量が約150Lというマイクロブルワリーの小回りのよさを生かし、オーダーメイドレシピの「オーナーエール」の醸造にも力を入れていくそう。須坂でしか造れないクラフトビールにこれからも目が離せません!
市の施設である旧須坂市福祉企業センターを改修したブルワリー。深井さんは学生時代に醸造学を学び、前職で発酵食品(酒・酢・チーズ)を手がけた経験から「付加価値の高いクラフトビールを造りたい」との思いで前職を退職し、クルークダイニングに転職した。
[信州須坂フルーツエール推進協議会]
TEL026-248-9033
[クルークダイニング信州須坂フルーツブルワリー]
TEL026-214-6225
醸造所:松本ブルワリー(松本市)
2014年にスタートした「ビアフェス信州 クラフトビールフェスティバル in 松本」で聞こえてきた「松本のビールはないの?」という声。この声がビールと松本をこよなく愛する人々を突き動かし、2016年に設立されたのが松本ブルワリーです。今年5月に念願の自社醸造所が竣工し、6月の完成式で記念すべき初仕込みが行われ、いよいよ7月下旬に初出荷を迎えます。
ペールエールやビター、ウィートエール、スタウトといったスタイルを中心に、幅広いビールを造っていく予定。さらに将来的には、地元産の大麦やホップの導入を見据えて、現在試験栽培も行っています。
「目指すのは松本をはじめ、信州の人々に愛されるビール。ビールをきっかけに、多くの人に松本に興味をもってもらいたい」と常務の福澤崇浩さん。旬の果物を使ったフルーツエールも仕込み、“ヌーボー祭”のようなイベントも開催したいと夢は膨らみます。「今の盛り上がりは、先輩メーカーの皆さんの力によるもの。自分たちは後発メーカーですので、このムーブメントに水を差すことがないよう、品質第一のものづくりをして信州の魅力のひとつになっていきたい」と話します。
写真は代表の林幸一さん(左)と福澤さん。「ビール醸造所がない国際都市はない」というのも会社設立のきっかけだったという。
- 元倉庫を改修した醸造所。約1800Lの発酵タンク6機、貯蔵タンク2機が並ぶ。
- 糖化釜を確認する福澤さん。
- 松本のシティウォーター(水道水)と数種類の麦芽を使った糖化液。
- 代表の林幸一さんは数々のコンクールで賞を受賞してきた「メインバー コート」のバーテンダーでもある。
松本ブルワリータップルーム
本社併設の直営1号店「松本ブルワリー タップルーム」。観光名所・中町にある。
松本市中央3-4-21/TEL0263-31-0081/13:00~19:00/火休
信毎メディアガーデン
今年4月にオープンした話題の信毎メディアガーデン内にある2号店「松本ブルワリータップルーム本町店」。北アルプスを見渡せる好立地。
松本市中央2-20-2-3F/TEL0263-88-1560/11:00~22:00/水休
醸造所:麗人酒造(諏訪市)
今年5月、アメリカで開催された世界最大規模のビール品評会「ワールドビアカップ2018」のゴールデンエール部門で、創業200年以上の歴史を誇る酒蔵 麗人酒造の「信州浪漫」が銅賞を受賞しました。世界66カ国から8,234種のビールがエントリーし、各部門を通じて日本産ビールの入賞は2種のみ。そのひとつに輝くという快挙に、受賞の様子をWEBのライブ中継で見ていたという製造責任者の藤森和彰さんも「何かの間違い?」と思うほど驚いたそうです。
麗人酒造では、1999年から酒蔵の夏の仕事としてビール醸造を開始。当初は、お土産用の地ビールという位置づけでしたが、月日を重ねるにつれて理想の味を求めて製法にも磨きが。「自分たちのビールは、どう評価されるんだろう」との思いで、今回初めてエントリーしたそうです。
『信州浪漫』は日本酒の仕込水でもある霧ヶ峰の伏流水を使い、自分たちが飲みたいさわやかな味わいを追求しました。今はホップの香りが強いビールが流行っていますが、ホップは控えめにしておかわりしやすいビールに仕上がっています」と藤森さんが話すとおり、すっきりと飲みやすい味わいが特徴。ミネラルを含む温泉水も加えて発酵を促進しているのだとか。
夏休みはたくさんの注目ブルワリーがある信州で“ビールトリップ”を楽しんでみてはいかがでしょう。
写真は「信州浪漫」と「ワールドビアカップ2018」の銅賞盾をもつ藤森さん。
- 長野県PRキャラクター「アルクマ」のイラストも評判。
- 当初は瓶詰めだけだったが、数年前に缶ビールの製造も始めたことで広く流通が可能に。
- ビール造りの技術を生かして造った発泡性日本酒も誕生。
[麗人酒造]
諏訪市諏訪2-9-21 TEL0266-52-3121
10社約25種が集結する特別な2日間
上記で紹介しているビールに加え、ブルワリーの限定品なども特別に取り揃えます。「飲み放題コース(5,500円)」またはお好きな種類5杯とサーバ提供ビール2杯の「飲み比べコース(3,000円)」の2プランをご用意。両プランともおつまみプレート付きです。
クラフトビール愛好家のみなさん、ぜひこの機会をお見逃しなく!
時間:第1部 13:30~15:00 第2部 16:30~18:00
定員:各30名
参加申込は、7月24日(火)0時より、以下のページで受付けます。
8.18〈DAY1〉
https://www.ginza-nagano.jp/event/28479.html
8.19〈DAY2〉
https://www.ginza-nagano.jp/event/28492.html
- 穂高ビール
(エイワ/安曇野市) - 南信州ビール
(駒ヶ根市、宮田村) - Anglo Japanese
Brewing Company
(野沢温泉村) - Hakuba
Brewing Company
(白馬村)