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生産量日本一!スーパーフード〈はちみつ〉のヒミツ

イメージ濃厚な甘味と薬さながらの効能で太古の時代より人々を惹きつけてやまない〈はちみつ〉。10世紀初頭に編纂された平安時代の法典「延喜式」には、信濃国で〈はちみつ〉が採取されたことが記されています。
山々に囲まれ自然の花々に恵まれた長野県は、生産量も養蜂家数も日本一を誇る〈はちみつ〉王国! そんな長野県産〈はちみつ〉の秘密と魅力に迫ります。

はちみつイメージ

知れば知るほど奥深い〈はちみつ〉の世界

果糖とブドウ糖を中心に、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、ポリフェノールなど、栄養成分の宝庫といえる〈はちみつ〉。その理由は、ミツバチが蜜と一緒に集める花粉にあります。花粉のさまざまな栄養がイオンの形で溶け込んでいるからなのです。栄養価だけでなく、殺菌力が強く腐ることがない保存食で、古くより風邪薬や喉薬の代わりとしても使われてきました。保湿力も高くクレンジングやパックなどのスキンケアにも最適。普段の洗顔料や化粧水に少量入れるだけで保湿効果がアップするそうです。

まるで魔法の万能薬のような〈はちみつ〉ですが、ただ花蜜を採取しただけでは完成しません。ミツバチが羽ばたきによって余分な水分を蒸発させ、花蜜の主成分のショ糖がミツバチのもつ特別な酵素で果糖とブドウ糖に分解されることで〈はちみつ〉が精製されていくのです。知れば知るほど驚くべきことばかりです。

ミツバチ

ミツバチは採蜜だけでなくハウス栽培の農作物の受粉作業に活用されていて、特にイチゴやメロンなどでの需要が増しているそう。「世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介している」という国連機関の調査も。これからの環境や生態系保全において、ミツバチはより重要な役割を果たすかもしれません。

松代養蜂株式会社の皆さん

松代養蜂株式会社の皆さん。「養蜂家はベテランも多いけど、みんな元気。もちろん〈はちみつ〉のおかげです」と依田さん(左から2番目)。その歴史は古く、古代エジプトでは飲み薬や塗り薬として使われたそう。1953年にE・ヒラリーが世界最高峰のエベレストを初登頂した際、栄養補給にハチミツを舐め続けたという逸話も残っています。


蜂場

今、長野県の〈はちみつ〉が熱い!

国産〈はちみつ〉の生産量は、2015年に長野県が北海道を抜き、初めて全国トップになりました。2017・18年も連続で1位に。

「採蜜がうまくいくかは自然まかせ。花が咲いても気温が上がらないと蜜は出ないんです。北海道はここ数年、梅雨入りしたり台風が上陸したりと天候不順が続いていましたが、長野県は山岳に囲まれていて気象が安定しているからかもしれませんね」
こう話すのは、長野市内で「松代養蜂株式会社」を営む長野県養蜂協会長の依田清二さん。国内で流通する〈はちみつ〉の9割以上は外国産で、それに比べると国産品はかなり高額ですが、オーガニック志向の高まりもあり、信頼できる生産者が手間ひまかけて作る安心安全な国産の天然ものを選ぶ人が増えているそうです。「最近、県内には若手の後継者も増えてきて、若手養蜂家を中心とした『長野県養蜂研究会』という集まりもできました。個性ある商品も増えているので、長野県の〈はちみつ〉はこれからもっと面白くなると思います」と期待を寄せます。

ミツバチは、10~15日ほどかけて花から蜜を集めます。松代養蜂株式会社の蜂場は34カ所、2,500群(約1,500万匹)のミツバチがいるとか。越冬後の春になると女王蜂が産卵を開始し、群れの増殖を進めます。ミツバチは帰巣本能が高く、働きバチは必ず自分の巣に戻るのだそう。

蜂の巣

巣箱の中の板に作られた巣。ミツバチが触角で寸法を測り、自分たちの体で作られるミツロウとだ液を混ぜ合わせて作った六角形の巣穴がぴったりとキレイに並びます。この中で蜂の子が育てられ、蜂蜜も貯蔵されます。


長野県の自然の恵みが詰まった濃厚で安心安全な〈はちみつ〉

ミツバチの行動半径は約2km。この特性を生かし、地域ならではの〈はちみつ〉が作られています。長野県で定番となっているのはアカシア(ニセアカシア)ですが、りんごやそばなど個性的なものも人気があります。
〈りんごはちみつ〉は、花の咲く期間が短く希少価値の高い一品。さわやかな甘さと果実のフルーティーな香りを感じることができます。白い花とは対照的に黒褐色の〈そばはちみつ〉も最近注目を集めています。ほのかな苦みがアクセントになった独特の味わいと香りが特徴。鉄分が豊富でそば特有のルチン(ポリフェノールの一種)が含まれているので、健康志向の方からも支持されているそうです。
このほかにも、菜の花、かりん、トチ、ブルーベリー、栗など、長野県の山里に咲くさまざまな花や、扱いが難しく1年に1度しか採蜜できない日本ミツバチのものなども。多彩でおいしい長野県産〈はちみつ〉を楽しんでみませんか。

松代養蜂株式会社の〈はちみつ〉
松代養蜂株式会社では瓶詰めごとに必ず色と味を確認し、ブレがないよう調整しています。

  • アカシアアカシア
    クセのない風味とさわやかな甘みで後味すっきり。透き通ったほのかな黄色で飲み物にも合わせやすく人気
  • ブレンドブレンド
    アカシアとりんご、トチをミックスさせたもの。しっかりした甘みでコクがあり、味わい深さが魅力
  • 百花蜜百花蜜
    さまざまな花の蜜のブレンド。ほのかな渋みがある大人の味わいで、調理に使えば深みのある旨味が
  • 百花蜜(戸隠そば蜜)百花蜜(戸隠そば蜜)
    「百花蜜」にそばの蜜をブレンドしたもの。ルチンが含まれているので、健康を意識した人におすすめ

[松代養蜂株式会社]
長野市松代町西条20 TEL 026-278-7657
https://yodayouhouen83hachimitu.jimdo.com/


銀座NAGANOで取り扱い中の〈はちみつ〉はこちら!
蜂イラスト

白砂糖と比べて3分の2程度のカロリーでありながら甘味度は高く、体に素早く吸収され、疲労回復効果、殺菌効果、美容効果、さらには二日酔いや花粉症の予防・改善にも効果があるといわれる〈はちみつ〉。銀座NAGANOでも養蜂家さんの顔が見えるこだわりの品々を取り扱っています。長野県産〈天然はちみつ〉で、1日スプーン1杯の健康生活をはじめてみませんか。

[ 里山のくらし商店(東御市)]

そば蜂蜜(ナッツ入り)

そば蜂蜜(ナッツ入り) 160g 1,512円
東御市産の〈はちみつ〉とクルミを漬け込んだ一品。ワインのおとものほか、健康食、美容食としてもおすすめです。

[ ハニープラント(軽井沢町)]

立科産リンゴはちみつ、佐久産アカシアはちみつ

(左)佐久産アカシアはちみつ 50g 500円
(右)立科産リンゴはちみつ 50g 500円
ミツバチの営みに魅せられ、東京から移住した夫婦がセレクトした、こだわりをもった養蜂家の〈生はちみつ〉です。

[ 北信濃養蜂場(長野市)]

なごみつ

なごみつ
(左)あかしあ(ボトル) 200g 2,257円

(右)りんご(ボトル) 200g 2,257円
創業4年の新鋭養蜂家の〈はちみつ〉。千曲川沿いの長野市屋島という土地にこだわって生産しています。

[ 更科養蜂苑(長野市)]

信濃乃国の純粋はちみつ

信濃乃国の純粋はちみつ
(左)アカシア 130g 1,166円

(右)フラワーバスケット 130g 1,166円
「自分が本当に食べたいおいしい〈はちみつ〉を作りたい」という、女性養蜂家ならではの視点で作りました。

はちみつこの実

はちみつこの実 150g 1,188円
信州産〈はちみつ〉にナッツとドライフルーツを漬けて贅沢に。チーズとの相性も抜群です。

[ 荻原養蜂園(軽井沢町)]

国産そば蜂蜜、国産百花蜂蜜

(左)国産そば蜂蜜 300g 3,564円
(右)国産百花蜂蜜 300g 2,246円
「はちひげおじさん」としても有名で、日本で初めてミツバチ牧場を作ったといわれる養蜂家の〈はちみつ〉です。

国産コームハニーアカシア

国産コームハニーアカシア 100g 1,501円
コームハニー(巣蜜)はハチの巣そのもので、風味豊かで栄養満点。濃縮された栄養をまるごと摂取することができます。

[ 奥原農園(大町市)]

アカシアはちみつ

アカシアはちみつ 130g 1,242円
リオ五輪で銅メダルを獲得したバドミントンの奥原希望選手のご実家で作られた〈はちみつ〉。パワーとスタミナの源に。

※1歳未満の乳児がハチミツを食べることによって乳児ボツリヌス症にかかることがあるため、1歳未満の乳児には食べさせないようご注意ください。

この記事は2019年5月時点の情報です。
取扱商品等は変更になっている場合がございますので、ご了承ください。

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