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これまでにない味わいを楽しむ!信州発、注目の新感覚フルーツたち

信州発、注目の新感覚フルーツたち

昼夜の寒暖差、降雨量の少なさ、標高差のある地形など、フルーツの生産に適した条件が揃う信州。

シナノゴールド(りんご)、ナガノパープル(ぶどう)、川中島白桃(もも)、南水(なし)などオリジナルの新品種が、新しい顔になってきた一方で、これまであまり全国に流通していなかったフルーツが今、注目を集めはじめています。

今回は、そんな信州発の新感覚フルーツをご紹介。銀座NAGANOでその味を確かめてみてください。

信州発、注目の新感覚フルーツたち

桃とネクタリンから生まれた新感覚フルーツ「ワッサー」
オヤジが生んだ宝をもっとおいしく、もっと広めたい

ワッサーは22年前、須坂市の農家で誕生した新しいフルーツです。

桃よりやや小ぶりで、肉質が締まっていてカリっとした食感があり、程良い甘みと酸味のバランスがよく果汁もたっぷり。味の個体差(当たり外れ)が少なく、日持ちするのも特長です。

信州発、注目の新感覚フルーツたち

そんなワッサーが生まれたのが中村家。

「昔は畑に山根白桃とネクタリンを混植していたんです。すると、いつまでも柔らかくならない桃ができて、食べてみると味もいい。これは新品種になるのではと研究を重ね、ワッサーができたんです」と教えてくれたのは生みの親である中村渡さんの息子・豊彦さん。現在は約2.2haの畑でワッサー生産に専念しています。

信州発、注目の新感覚フルーツたち

豊彦さんが父から受け継いだモノがもうひとつ。実生(種子から発芽し生育した苗)を育てたり接ぎ木をしたりする新品種開発コーナーです。

実生を見つけたら開発コーナーへ移植し、通常の仕事の傍らで研究栽培。「父のワッサーに続く、新しいワッサーをつくりたいんです」と目を輝かせています。

ワッサー生産者 中村豊彦さんワッサー生産者 中村豊彦さん(須坂市)

地元の青果市場を退社し、15年程前から専業農家に。父親が開発したワッサーの生産を継ぎ、繁忙期には毎朝約2トンを収穫。北海道から沖縄まで全国から注文があり、タイ人の奥さんの実家でも好評。


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信州で進化を遂げたミラクルフルーツ
旬だからこそ生で味わいたい、佐久地域のこだわりのプルーン

全国シェア約6割を誇る信州産プルーン。
ジャムやドライフルーツなど加工したイメージが強いかもしれませんが、信州では生で味わうのが当たり前。

割れやすく雨を苦手とするプルーンにとって降水量の少ない佐久地域が栽培に適していたことから生産が盛んになり、その味は高い評価を得て、新しい品種も次々と誕生しています。

信州発、注目の新感覚フルーツたち

現在、20種以上あるとされる品種の中で、生食用として最もメジャーな「サンプルーン」を開発したのが土屋喜八郎さん。「昭和45年頃、日本スモモ(プラム)の台木に在来の西洋スモモ(プルーン)を接ぎ木し、大事に育ててみると、大きな実がなったことがはじまりなんです」と語る息子の則明さん。

当時は苦労して栽培しても知名度が低く順調とはいえなかったが、女性誌でプルーンの美容と健康に優れた点が紹介されて爆発的にヒットし、生産者も増えていったそうです。

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また、昨年の品評会で最高位の県知事賞を受賞し、両親の手掛けた畑を今年から本格的に継いだのが嶋崎さん。「父は木の仕立てのプロ。全体の陽当りを考えた整枝や剪定のおかげで毎年必ず良い実がなる。改めてスゴさを実感しています」と尊敬のまなざしを向けます。

父親が残してくれた木を80歳を超えいまだ現役の母親とともに大切にし、良いモノを作り続けたいと意欲をみせます。

プルーン生産者 土屋則明さんプルーン生産者 土屋則明さん(佐久市)

サンプルーンの開発者・土屋喜八郎さんの息子。32歳で亡き父の後を継ぎプルーン農家へ。
現在10トン程を出荷。

プルーン生産者 嶋崎敏彦さんプルーン生産者 嶋崎敏彦さん(佐久穂町)

平成27年度佐久プルーンコンクール県知事賞(最高位)を受賞した農家。
10種類程のプルーンとりんごを栽培。


信州発、注目の新感覚フルーツたち

煮て焼いて美味しく変身クッキングアップル「ブラムリー」
栗のまち小布施の新名物は、英国生まれの可愛い青りんご

ニュートンが万有引力に気付いた時の話でも知られるように、英国の多くの家庭にはりんごの樹があり、健康食として愛用されています。

そのほとんどはクッキングアップルと呼ばれる調理用りんご。中でもブラムリーは英国産りんごの約45%を占めているそうです。

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そんなブラムリーを日本にも導入できないかと動いたのが小布施町出身でRHS(英国王立園芸協会)の日本支部を作った荒井豊さん。そして地元、小布施町でこの企画に賛同し挑戦しようと立ち上がったのが平松興一さんをはじめとする6名でした。

「初めて生で食べたときは、酸っぱすぎてこんなの売れるわけがないと思ったんです。でも調理したら驚くほど美味しくなった。こんなりんごもあるんだと衝撃を受けました」と語る平松さん。

近頃は都内の大手フルーツ店とのコラボやテレビの取材などもあり話題沸騰。栗と並ぶ小布施町の新しい名物になるのもそう遠くはないかもしれません。

ブラムリー生産者 平松興一さんブラムリー生産者 平松興一さん(小布施町)

22年前より小布施町でブラムリー生産にチャレンジするひとり。当初6名だった生産者は現在34名に増え、街全体で約3トンを出荷。他にも各種りんごや小布施栗も手掛けています。

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