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信州のココが好き。信州のココが好き。

登山家 田部井淳子さん

田部井 淳子さん

私が山に興味を持ったのは小学校の頃。病弱で体も小さく、決して運動が得意というわけではなかったんですが、夏休みに山好きの先生と行った砂と岩ばかりの山に感銘を受け、教科書には載っていない風景にもっと出会いたいと思ったんです。それから日本各地や世界各国の山を登るようになりました。もちろん信州の山もいろいろ行きました。若い頃は、上高地や北アルプスは憧れでしたからね。社会人の山岳会に入った頃は冬山登山が多くて、のちに夏の鹿島槍へ行ったら花がたくさん咲いていて驚きました。同じ山でも季節が違うと別世界、だから再登山も楽しいんです。

最近すごくいいなと思うのは里山登山。特に信州なら、どの里山からも3,000m級の山々と田園風景が望めて、それだけで私はしあわせな気持ちになれますね。高齢で高い山は難しいという方も、北アルプスを眺めるために里山へ登るなんて楽しみ方だっていいと思うんです。

田部井 淳子さん初心者なら、ゴンドラなどの文明の利器をどんどん活用して高い山の魅力をまず体感して欲しいですね。初心者だから低い山からなんてことは、全然無いんですよ。ゴンドラを使えば2,000m級の高さへもすぐ行ける。夏は涼しいし、素晴らしい景色がパッと広がる、山って楽しい!って実感できると思うんです。

そして山の恵み。以前、雨飾山の帰りに天然のなめこを見つけ、鍋でいただいたんです。こういうのって贅沢だなぁと思いました。信州は本当に宝の山ばかり。信州そのものを世界遺産にしたらいいと思うぐらいですね。

– Profie –
1939年、福島県生まれ。昭和女子大卒業後、社会人の山岳会に入会し、登山活動に力を注ぐ。1969年「女子だけで海外遠征を」を合言葉に女子登攀クラブを設立。
1975年には世界最高峰エベレストに女性世界初の登頂に成功。1992年、女性で世界初の7大陸最高峰登頂者となる。現在は年に数回海外登山に出かけ、これまでに70ヶ国以上の最高峰・最高地点を登頂。松本観光大使も就任している。

信州のココが好き。