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信州ブランドアワード2022
しあわせ信州部門 部門賞
「SUWAプレミアム」

しあわせ信州部門 部門賞
「SUWAプレミアム」
2022テーマ「地域再生・活性化に寄与する製品、サービス」

官民連携による高付加価値のものづくりで地域活性化に貢献

SUWAブランド推進委員会(諏訪市)
 株式会社 信州諏訪ガラスの里 取締役会長 岩波太左衛門尚宏さん

 諏訪市 産業連携推進室 産業連携推進係 係長 茅野 光徳さん(※取材時)・担当 宮尾 優さん

明治から昭和初期にかけて製糸業で栄えた諏訪地域。戦後は時計やカメラ、オルゴールなどの製造で高いシェアを確立し、風光明媚な環境も相まって「東洋のスイス」とも称されるほど、精密機械産業の一大集積地として発展しました。

その後、主力産業は自動車やスマートフォン、パソコンの部品製造へと転換しましたが、高い技術があるものの、付加価値のある最終製品や自社のオリジナル商品によるビジネス展開には至っていませんでした。

そうした中、製造業の企業とデザイナーやクリエイター、売り手、そして行政による官民連携の取組みで高付加価値の製品を生み出すために設立されたのが、地域ブランド「SUWAプレミアム」です。「SUWAブランド推進委員会」が中核となり、優れた技術力があるものの、デザインや情報発信に単独で対応することが難しい中小企業の魅力的な商品開発や販路拡大をサポートしています。

きっかけとなったのが、2012年に誕生した小松精機工作所(諏訪市)の「超高精度金属砂時計」です。同社では長年の研究の末に、自動車エンジン部品の製造過程で廃棄される合金の金属粉を活用し、砂時計を作りたいと考えました。

とはいっても、製造も販売もつてがなかったことから、諏訪市役所に新設された「産業連携推進室」に相談。製品化に向け、研磨と切削加工を得意とする市内のメーカーやデザイナー、販売店などに声をかけ、5人の関係者を集めた開発プロジェクトが立ち上がりました。そのひとりが、ガラス製品を展示・販売し、ガラス職人も在籍している国内最大級のガラスミュージアム「SUWAガラスの里」の代表に就任したばかりの岩波太左衛門尚宏さんでした。

開発期間は1年以上。金属粉とガラスという異素材の技術の掛け合わせには困難が伴いましたが、異業種連携を促進することで新商品開発や社会課題解決を目指す市の産業連携事業補助金も後押しとなり、紆余曲折を経て完成。すると、4万2800円という高価格ながら、限定100個が10日間で完売するほど好評を博したのです。

「前年に発生した東日本大震災の被災地支援の思いから、砂時計の台座に岩手県釜石市で開発されたコバルトクロム合金を使用するなどの取組みも相まって、県内外のメディアでも取り上げられ想像以上の反響でした。デザイナーと作り手、地域の人たちが一緒になることで、優れた商品開発ができる連携の力を感じましたし、製品を通じて地域の文化や技術を発信できる可能性も知りました」(岩波さん)

▲「SUWAガラスの里」代表で、「SUWAブランド推進委員会」委員長も務める岩波太左衛門尚宏さん

このプロジェクトがきっかけとなり、2014年に官民連携の「SUWAブランド推進委員会」と「SUWAプレミアム」が発足。「澄み切った繊細さ」をブランドコンセプトに、消費者向けの商品を作りたいと考えるB to B向けビジネスを展開する事業者のニーズに応え、挑戦を促す取組みを進めてきました。

幅広い事業者の連携や異業種の出会いを大切にするために、諏訪市の事業者に限定せず、諏訪地域6市町村の広域を対象にしている点も特徴のひとつ。年2回のブランド認定審査会ではさまざまな立場の審査員が多角的に評価し、基準に満たず認定が見送られたアイテムも改善点などを提案することで、ブラッシュアップにつながる好循環が生まれています。

▲パッケージデザインを変更したことで売上が倍増した鼻毛カッター「スリッサー」

さらに、旗艦店の「SUWAガラスの里」では、認定商品だけでなく、認定前の製品もテストマーケティングを兼ねて販売。作り手は出店のコストなく、消費者の直の反応を得ることができます。

こうしてブランド発足後に認定された製品は50事業者102アイテム(※取材時)。中には世界初の天然果汁絞り機「カジュッタ」など、全国のカフェや飲食店で使用されている商品もありますし、工業製品だけでなく、雑貨や化粧品、小物などのアイテムも見られます。

▲天然果汁絞り機「カジュッタ」

▲諏訪の魅力をイラストで伝えるぽち袋「すわぽち」といった雑貨も

そんな「SUWAプレミアム」の効果は、各企業の従業員満足度にも見られたと話すのは、「産業連携推進室」の茅野光徳さんと宮尾優さんです。

「B to B向けの事業者が自社商品を持つことで従業員のモチベーションがアップし、近年は製造業に若者が集まらないといわれる中、採用面でも就活生に対して自分が思うものづくりができるとPRになっているようです」(宮尾さん)

また、6年連続で「東京インターナショナルギフト・ショー」に出展し、近年は岡谷市にある諏訪地域最大の商業施設「レイクウォーク」で、地元の消費者向けに展示販売や即売会なども実施。「SUWAプレミアム」としてのチーム力も高まっています。

「中小企業の部品メーカーが一社で自社製品のPRや技術力を説明するのは大変ですが、『SUWAプレミアム』の認定商品であれば特徴が伝えやすく、ブランド全体での紹介もできます。『レイクウォーク』では地域の皆さんに自社の存在や技術を伝えられる喜びも感じているようです」(茅野さん)

さらに、コロナ禍では売上に打撃を受けましたが、ECサイトをリニューアルし、SNSが得意な企業と連携して周知を図ったほか、ふるさと納税の返礼品に登録するなど、販売チャンネルを増やすことでも販売を促進。結果、2022年度には過去最高売上を記録し、国内のみならず海外からの取材依頼なども増えています。

「これだけ多くの事業者が活動し、内実も伴っているのに、知名度が上がらないのはもったいない。PRこそが私たち行政の仕事です。今回の『信州ブランドアワード』の受賞が、さらなる活動推進のひとつのきっかけになりました」(茅野さん)

継続は力なり。企業連携と協業による新たな付加価値を持った製品づくりが、地域全体の活性化と個性あふれるものづくり文化の向上につながっています。

 



SUWAブランド推進委員会
0266-52-4141(諏訪市経済部 産業連携推進室 産業連携推進係)

https://suwa-premium.net/

※この記事は2023年3月取材時点の情報です。取扱商品等は変更になっている場合がございますので、ご了承ください

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