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信州ブランドアワード2022
NAGANO GOOD DESIGN 部門 部門賞
「八ヶ岳生とうもろこし」

NAGANO GOOD DESIGN 部門 部門賞
「八ヶ岳生とうもろこし」 

新しい農業のかたちをデザインすることで
地域の魅力を発信し、持続可能性を追求

株式会社ベジバング(原村)
ハマラノーエン 代表取締役 折井祐介さん

標高1000mを超える八ヶ岳中央高原に位置する原村。日照量が豊富で昼夜の寒暖差が大きく、夏は1日の気温差が15℃以上になります。そんな環境を生かして作られるのが、実の皮が薄く水分が豊富で生食できる「八ヶ岳生とうもろこし」。フルーツのように食べられる甘さとみずみずしさで、平均糖度はなんと、一般的なメロン(糖度16度)を上回る約20度。“メロンよりも甘い”と表現され、毎年17万本以上が出荷されています。

生産から販売まで手がけるのは、原村で生まれ育った「ハマラノーエン(旧HAMARA FARM)」代表の折井祐介さんと、同郷で幼馴染の同級生である柳沢卓矢さんです。もともと折井さんの祖父母が農家だったことから、2011年に“楽しく農業を仕事に”という思いのもと、原(ハラ)村の中間に間(マ)を入れた「原仲間」の意味を込めた農園を設立。フルーツ好きの折井さんが、果物栽培に不向きな冷涼な原村で育てられるフルーツのような野菜として着目したのが、とうもろこしでした。

とうもろこしは生育環境の影響を受けやすい作物です。そのため、八ヶ岳山麓の恵まれた環境や肥沃な土地、潤沢な冷涼水は、抜群の糖度を生み出しました。2012年に初めて販売すると、口コミなどで一気に評判に。そこで、八ヶ岳山麓の生で食べられるおいしいとうもろこしとして商品化し、全国に発信すべく「八ヶ岳生とうもろこし」としてブランドを立ち上げました。

こだわりは、収穫のタイミングと鮮度。毎朝1本1本、食べごろを見極めて日の出前に収穫し、採れたてを特製の鮮度保持フィルムに入れて出荷しています。また、とうもろこしは横にすると自ら起き上がろうとする性質で糖分をエネルギー源として消費してしまうことから、専用の縦入れ箱で立て、冷やした状態で通販や対面で販売。10件ほどの若手生産者仲間とともに夏の長期間にわたって栽培し、地元の宿泊施設やレジャー施設、飲食店など約30カ所でも販売やメニューとして提供してもらうことで、地域の特産品としてプロモーションしています。

とうもろこしを立てた状態で縦に入れられる専用設計のギフトボックス。2023年版はデザインをリニューアル予定(写真はイメージで、デザインは変更の可能性あり)

パッケージにもこだわり、地元の同級生デザイナーとともに考案。2015年には日本ギフト大賞・長野賞を受賞し、販路も拡大したことから、多様な要望に応えるために生鮮野菜の卸会社「株式会社ベジパング」も設立しました。

さらに、2022年に「HAMARA FARM」から現在の「ハマラノーエン」へとリブランディング。「八ヶ岳生とうもろこし」を軸に、商品力だけでなく、農業のかたちそのものを新たにデザインし、農業市場や社会課題に貢献する持続可能な農業を目指しています。

「昨今の社会情勢や環境問題が農業にもたらす影響は無視できない状況です。また、今の時代、さまざまなブランドが存在し、パッケージデザインのよい商品は全国に溢れています。だからこそ見た目のデザインだけでなく農業の取り組み自体に価値を置き、そのストーリーに共感してもらえる消費者とつながり、顔の見える取組をしていかなければ、農業として生き残っていくのは難しい時代だと感じています」

そこで、産地をより近くで感じてもらえるよう、とうもろこし畑の中に収穫体験もできる直売所を設立。工事現場の足場などに使われる単管システムを国産の木材に置き換えて開発された「モクタンカン」で建設し、八ヶ岳山麓の自然との調和を考えました。

「近年は新型コロナウイルスの影響もあり、地方や自然のなかで暮らす人が増え、生き方が自然回帰的になってきています。そうした中で10年以上農業に携わってきて年々感じるのは、精神的なストレスから解放される農業の気持ちよさです。太陽の下で働き、土と土中の微生物に触れることで免疫力が高まるといわれていますが、農業は人々が心豊かに生きていくためのエッセンスが秘められているようです。その体験的な価値を直売所で感じてもらえたら」

現在はさらに、農業用ハウスと「モクタンカン」を組み合わせ、直売所のほかに、作業場や体験農園、カフェ、イベントスペースなどを兼ねた、自由度の高いコミュニケーションスペースを新築予定です。また、商品も品質の高さを大切に、一番果のとうもろこしのみを出荷していますが、二番果や規格外品も余すことなく利用しており、スープやパン、スイーツなどの加工品に。今後はとうもろこしのヒゲはひげ茶に、実を削いだ芯は焚き火の着火剤にする予定です。

加えて、とうもろこしの土壌改良剤としての機能にも着目し、茎を細かく粉砕して土壌に混入。これまでも肥料は地元の酪農家と連携して牛ふん堆肥を使用してきましたが、さらなる循環型農業を目指していきます。

「農業は英語で『アグリカルチャー』ですが、現在の日本の農業は大半が農産物を作って販売するだけの『アグリビジネス』になっています。もっとカルチャー(文化)の部分を掘り起こし、サービスというかたちで提供するブランドに育てていきたいと思っています」

さまざまな側面から農業の価値を高め、その魅力を伝えるアグリカルチャーの発信地へ。豊かな可能性の追求は続いていきます。

 


 

ハマラノーエン
長野県諏訪郡原村13414-1
メール;hamaranouen.pr@gmail.com

https://hamarafarm.com/

※この記事は2022年6月時点の情報です。取扱商品等は変更になっている場合がございますので、ご了承ください

 
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