長野県産品コラム vol.10「寒天」
2024.02.15
長野県の諏訪・伊那地域では高い晴天率や昼夜の寒暖差というこの地の冬の気候と恵まれた水資源を生かし、「夜に凍みさせ、日中に融かす」を繰り返す天然フリーズドライ製法で寒天が作られてきました。
約180年前にこの地に製法が伝えられ、1905年の中央本線開通を機に生産が拡大。
日本では食用のイメージが強い寒天ですが、1881年にヨーロッパの細菌学者が寒天培地による細菌培養法を開発すると、医療等の研究目的で世界的に需要が増加し、国外にも輸出されるようになりました。
第二次世界大戦下に日本から寒天が輸出されなくなると、諸外国では工業的に寒天を製造する方法を開発。
今では世界各地で製造され一部は食用にもなっています。
寒天は無味無臭なため、その味わいを意識することは少ないかもしれませんが、天然寒天は「テングサ」を、工業寒天は「オゴノリ」を主に使用するなど、実は原料も製法も異なります。
工業寒天は粉末ベースで様々な用途に展開できるのが特徴。
一方、天然寒天は分子同士の結合力が強いため保水力が高く、棒や糸寒天ならではのプルンとした食感や弾力性が魅力です。
下諏訪町の老舗「新鶴本店」の塩羊羹をはじめ、名店とされる和菓子店の多くがこの天然寒天にこだわっているとのこと。信州の自然の恵みがつまった天然寒天を生活に取り入れてみませんか?
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BREATH OF NAGANO
「寒天」 〜制約から生まれた創造性~
長野県のヒト・コト・モノとあなたを“つなぐ”情報マガジン「つなぐ」2024年2月号掲載