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信州ブランドアワード2022
しあわせ信州部門 大賞
「白馬岩岳マウンテンリゾート」

しあわせ信州部門 大賞
白馬岩岳マウンテンリゾート
2022テーマ「地域再生・活性化に寄与する製品、サービス」

地域の魅力を掘り起こし
世界水準の山岳リゾートへ

白馬岩岳マウンテンリゾート(白馬村)
株式会社岩岳リゾート 代表取締役社長 和田 寛さん

白馬三山をはじめとする雄大な北アルプスを望む白馬村。その絶景を楽しむ展望カフェ&テラス「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR(白馬マウンテンハーバー)」を皮切りに、北アルプスに向かって漕ぐ爽快感とフォト映え抜群の大ブランコなど、地域の資源を活用した魅力的な施設や、ここでしか体験できない多彩なグリーンシーズンの取組を次々と創出し、 “オールシーズン・マウンテンリゾート”を確立させたのが「白馬岩岳マウンテンリゾート」です。2022年にはコロナ禍ながら過去最高の集客を達成し、創意工夫を凝らし地域活性化を牽引する存在として「しあわせ信州」部門で大賞を受賞しました。

その大変革の立役者となったのが、株式会社岩岳リゾート代表・和田 寛さんです。東京で生まれ育ち、農林水産省や外資系コンサル会社を経て「田舎を元気にする仕事をしたい」との思いで、2014年に幼少期から登山やスキーで親しんでいた白馬村へ。

そこに待ち受けていたのは、日本屈指のスノーリゾートながら、1990年代のピーク時には300万人が訪れていたスキー客が3分の1に落ち込んだ状況でした。結果、リフトやゴンドラなどの設備のほか、宿泊施設などの大半が築30年以上経過しても資金不足で更新できないという厳しい現実に直面。さらに、追い打ちをかけるように温暖化により降雪量が少ないシーズンも経験し、新たなビジネスモデルの確立は喫緊の課題でした。

「このままではスキー場に依存してきた地元経済も共倒れし、白馬全体が立ち行かなくなってしまう。この素晴らしい環境を生かし、ウィンターシーズンよりも期間が長いグリーンシーズンの魅力を強化して、単なるスキー場ではなく、オールシーズンで手軽に非日常感をゆっくりと楽しめる“世界水準のマウンテンリゾート”を目指さないといけない」

そう考えた和田さんは、白馬のリブランド化に向け、地元の観光協会や行政区などと危機感と将来像を共有。地域としての生き残りをかけ、冬場のスキー客に依存する経営からの脱却を推進します。

まず着手したのは、地域に眠る価値を見つめ直すこと。地元の人たちに白馬の中でも特に素晴らしいと思うポイントを聞くと、皆が口を揃えたのが、岩岳山頂エリアからの眺望でした。

白馬の中でも標高が低く降雪量が少ない岩茸山は、スキー場としては村内で不利な状況にありましたが、北アルプスの山々からやや離れている分、白馬三山を真横から眺めることができる絶好のスポットだったのです。

さらに、岩岳エリアは白馬のスキー場として初めてリフト自動改札のゲートシステムなどを導入した地域。新しい取組に対して柔軟な受容ができる素地もありました。

それまで山頂エリアには展望台と称した丸太のベンチが数本置かれていたのみだったことから、和田さんはゴンドラリフト1本で到着できるこの場所の有効活用を考え、絶景を楽しむことを主軸に “おいしい”という付加価値を加えた商品化を進めます。

「ただ山頂に上がって山を眺めるとこ自体は決して特別な体験とはいえません。リゾートとして、どのような付加価値を与えるか。社内のチームで検討し、他地域の展望施設も一通り視察し、考えた差別化が、シンプルですが圧倒的な景色を眺めながらちょっと特別な食事が味わえることでした」

そこで、日本の代表的なリゾート地である軽井沢で和田さんが以前から好んで通っていた店舗を展開する株式会社フォンスに協力を依頼し、ニューヨーク発の人気ベーカリー「THE CITY BAKERY」の長野県内初出店が実現しました。

景色になじむ建物の設計は、白馬村内でいくつかの別荘を手がけていた北海道の企業に委託。北アルプスが眼前に飛び込んでくるようなテラスなど、独創的なデザインが生み出されました。

こうして2018年10月に「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」を開業すると、メディアやSNSで一気に話題に。わずか1カ月でこれまでのグリーンシーズンの年間集客数3万人を超えたのです。

さらに、山頂エリアの滞在時間を増やすため、施設や取組を次々と導入。2019年には、冬場にスキー場のゲレンデとして使われる斜面を活用した「Iwatake Green Park」を開業。アウトドアブランド「スノーピーク」の協力も得て、眼下に広がる白馬村の風景を眺めながら椅子に座ってゆったり過ごせるリゾート空間を創出しました。

2020年には北アルプスに飛び込むような感覚を楽しめる大ブランコ「ヤッホー! スウィング」を新設。1回500円の有料施設ながら、最大で5時間待ちにもなる人気アトラクションになり、さらなる客足増加の起爆剤となっています。

「コロナ禍の外出自粛期間を経た苦しい時期だからこそ、時には強引な仕掛けも必要でしたし、しっかりとコンテンツを作れば、お客さまにはその努力や頑張りが認めてもらえるとも思っていました」

こうして2021年にはグリーンシーズンの来場者がウィンターシーズンを超えるほど、冬に依存していた白馬の観光は大きく変貌を遂げたのです。

加えて、飽きの来ない何度も訪れたいリゾート地化に向け、2022年4月には白馬村の田園風景や森林浴、アート体験、ティータイムなどが楽しめる「白馬ヒトトキノモリ」もオープン。

今では、シーズン中20万人が訪れる白馬屈指の人気スポットのひとつとして、国内外に広くその名が知れ渡っています。

さらに、幅広い客層を取り込むためのイベントも考案。新緑が美しいのに集客が少ない5月の白馬の魅力をもっと発信し、地元民も含めて音楽ファンを山頂エリアに取り込もうと、音楽フェス「アルペンアウトドアーズ プレゼンツ『HAKUBAヤッホー! FESTIVAL』」も企画しました。感染対策も徹底し、2020年の第1回開催から大成功をおさめ、2023年5月には3回目の開催を予定しています。

同時に持続可能な地域を実現する取組も。山頂エリアでのペットボトルの販売廃止や地産地消をコンセプトにしたメニュー提供、内装の一部に廃材を活用するなどの持続可能性を考慮した取組や麓の街並み整備や民宿のリノベーションによる新しい宿泊施設の提供など、エリア全体の魅力を高めた取組も進めています。

「長期滞在をしてもらうことで、白馬の本当の良さをゆっくりと味わっていただけます。一方で、昔ながらの民宿は長期滞在向けにつくられておらず、経営者の高齢化による後継者不足の課題もありました。そこで、両者のニーズをマッチさせる新たな事業スキームを進めています」

具体的には、6軒の民宿を改修し、1オペレーターで効率的に回転させる宿泊システムを導入。地域として、観光客を受け入れる受け皿を強化しています。

「動かない限り、成功はありませんし、まだまだエリアの魅力を掘り起こしきれていません。日本の中でもかなり特異なリゾートになるポテンシャルはあるエリア。その掘り起こしのお手伝いから地域全体の牽引役になれたら」

こう話す和田さん。老朽化していたインフラ投資にも注力を開始し、2024年には新ゴンドラも完成予定です。白馬地域にとどまらず、長野県や日本の観光を牽引する活躍に期待が高まっています。

 


 

株式会社岩岳リゾート
長野県北安曇郡白馬村北城12056
0261-72-2474

https://iwatake-mountain-resort.com/

※この記事は2022年4月時点の情報です。取扱商品等は変更になっている場合がございますので、ご了承ください

 
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